いいやまのお米がおいしい理由
国内有数の豪雪地域である長野県飯山市が、おいしいお米の生産地でもあることをご存知でしょうか?
特にコシヒカリが高く評価されていて、お米のおいしさを審査する「米・ 食味分析鑑定コンクール」では、最高位の金賞を受賞。ふるさと納税の返礼品としても人気です。
どこかなつかしい日本のふるさとの田園風景がひろがる飯山市。いいやまのお米がおいしい理由をひもといてみましょう。
気候と水の条件、技術力の高さが生み出す長野県のおいしいお米
長野県は周囲を高い山々に囲まれ、千曲川(信濃川)をはじめとした木曽川、天竜川など河川の源があり、盆地が多いという地理的特徴があります。
気候は内陸性で、夏は日照時間が長く、昼と夜の温度差が大きい。このおかげでお米のおいしさの決め手となるデンプンが、効率よく蓄積されます。
稲作に重要な水は、主に山からの清流が使われています。
他の生産地と比較して、冷涼で降水量が少ないことから、長野県では病害虫の発生が少ない傾向にあり、農薬使用回数も少ないことも特徴です。
また、生産者の技術力が高いため、最高ランクの1等米の割合が高く、長年全国トップレベルを保っています。
雪解け水に育まれれた、いいやまのお米
そんなおいしいお米の産地である長野県の北部に、飯山市は位置しています。
周囲を山に囲まれた千曲川沿いの盆地という、おいしいお米が作られる地理的条件がそろっているのはもちろんのこと、豪雪地帯ならではの特徴として、豊富な山の水が挙げられます。
周辺の山々に降り積もったたくさんの雪が育てた広大なブナの森林。そこから湧き出す豊富な清流が運んだミネラルたっぷりな土壌で、おいしいお米が作られています。
おいしさの証明。各種コンクール受賞歴
飯山のお米のおいしさを客観的に証明しているのが、国内外最大のお米のコンクール「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」(主催:米・食味鑑定士協会)での、数々の受賞歴です。毎年、長野県飯山市の生産者が上位入賞者に名を連ねています。
このコンクールは、官能(食味)審査よる「食味」に重きを置いたものです。
平成27年に開催された「第17回米・食味分析鑑定コンクール国際大会」においては、参加総数5,119点のうち国際部門で41点ノミネートされ、そのうち6点が飯山市生産者の米でした。その中から金賞3点、特別優秀賞3点を受賞し、金賞数、入賞数ともに日本一となりました。
令和5年(2023年)産 新米 各種コンクール受賞データ
第25回 米・食味分析鑑定コンクール国際大会
2023年12月1日、2日、新潟県津南町で開催。3名(団体)が入賞
年度 | 部門 | 賞 | 氏名・団体名 |
---|---|---|---|
R5年度 (第25回) | 総合 | 特別優秀賞 | 農事組合法人 ファームステーション木島 |
総合 | 特別優秀賞 | JAながのみゆき 一番開花の会 小池幸喜 | |
都道府県代表お米選手権 | 特別優秀賞 | 農事組合法人 やなぎはら |
令和5年度 飯山市米食味コンクール(飯山のおいしいお米グランプリ)
「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」へ向けての、飯山市予選会の審査結果(応募数:58点)
年度 | 賞 | 地区 | 氏名・団体名 | 品種 | 点数 |
---|---|---|---|---|---|
R5年度 | グランプリ | 秋津 | 渡辺隆一 | コシヒカリ | 162 |
準グランプリ | 瑞穂 | 飯山市立 東小学校 | コシヒカリ | 161 | |
優秀賞 | 岡山 | 沼田浩徳 | コシヒカリ | 159 | |
優秀賞 | 太田 | Faith Farm 水野尚哉 | コシヒカリ | 159 | |
優秀賞 | 外様 | 株式会社 とざま | コシヒカリ | 157 | |
優秀賞 | 岡山 | 江口卓也 | コシヒカリ | 157 |
飯山のお米の生産者をご紹介
ふるさと納税の返礼品としても大人気の飯山産のお米。
長野県飯山市のおいしいお米は、こんな方々によって作られています。
農業生産法人 株式会社とざま 「かまくらの里こしひかり」
飯山市の外様地区。東西を山と丘陵に囲まれた平地に田んぼが延々と広がります。冬は例年2メートルを超す積雪があり、大きなかまくらが並ぶ、飯山の冬の風物詩「かまくらの里」でも有名な地域です。
株式会社とざまは、その外様地区の住民により設立された農業生産法人。地域の田んぼや畑を残していくために、大規模経営による農作業の効率化を行い、約90ヘクタールで稲作を行っています。2020年に9年目を迎えました。
飯山市のふるさと納税の返礼品としても出品している「かまくらの里こしひかり」は、農薬や化学肥料の使用量を地域の一般的な栽培方法と比較して50%以上減らした特別栽培米。長野県による「信州の環境にやさしい農産物認証制度」による認証もされています。
2013年(平成25年)の第15回「米・ 食味分析鑑定コンクール国際大会」では特別優秀賞を受賞しました。
地域内でも田んぼのある場所によってお米のでき具合は微妙に違うのだそうです。新潟県との境となる、関田山脈の山ぎわにある田んぼは「西日が当たりにくい」という特徴があり、特においしいお米ができるのだとか。
また、腹薬清水、出口清水、滝清水といった山からの湧き水を主に稲作に使っていますが、それらの湧水の水源に田んぼが近いこともメリットとなるそうです。
そのような条件が特に良い田んぼのお米が「かまくらの里こしひかり」としてお届けされています。ぜひ一度、食べてみてください。
リンク 株式会社とざま
金崎隆さん 「金崎さんちのお米」
飯山市の太田地区で代々続く農家の長男として、東京農業大学を卒業後すぐに家業を継いだ金崎隆(ゆたか)さん。その数年後の1995年、国の食糧管理制度が変わり、農家が自由にお米を売れるようになったことをきっかけに、「生産者の顔の見える農業」を実践開始。「金崎さんちのお米」と名付けてブランド化し、ネット通販などで直接販売を続けています。
継いだ当時は15ヘクタールだった田んぼは、現在約40ヘクタール(東京ドーム約8個分)に拡大しました。とはいえ、収穫量よりもおいしさを優先。エビやカニなどの甲殻類の殻や貝殻が配合されたオリジナルの有機肥料を使い、収穫時期をちょっと早めるといった独自の栽培方法でお米作りをしています。
「金崎さんちのお米」は、2001年に皇室新嘗祭献穀米に選ばれ、「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」では、2013年の第15回大会で特別優秀賞を受賞。それ以前にも、同コンクールで複数回の受賞歴があります。
収穫されたお米は、約15度に保たれた保冷庫に保管。HACCP(ハサップ)に基づいた衛生管理がされた精米室もあり、安心して購入いただけるように管理体制も整えています。
そんなお米作りのあれこれを、積極的に情報発信しています。商品に同封してお客さまにお届けしているリーフレット「金崎さんちだより」は、No.45を迎えました。家族やスタッフの近況報告を中心にしていて、まさに生産者の顔が見えます! 事務所にふらっとお米を買いに来る、リピーターのお客さまもいらっしゃるそうです。
リンク 金崎さんちのお米
こちらでも飯山市のお米の生産者をご紹介しています
米・食味鑑定士が語る飯山のお米の特長
飯山のお米の特長や、自分にとっておいしいお米を見つける方法は?
飯山市の農林課所属時代に、飯山のおいしいお米の知名度を高めたい! という思いでPRを推進。
知識を深めるために自ら米作りを始め、米・食味鑑定士の資格まで取得した松川億吉さんにお聞きしました。
飯山は米作りに適した地域。収穫量よりも質にこだわる生産者が多い
長野県飯山市の山を超えた向こう側は、おいしいお米の産地として有名な新潟県の魚沼や群馬県の水上。この辺りは地形や気候がお米を作るのに適した地域なんですね。
長野県は最高ランクの1等米の割合や10アールあたりの収穫量が、全国1、2位を争う米どころなのですが、飯山では収穫量の多さよりも、おいしさを優先した米作りをしている農家さんが多いと思います。
お米のおいしさを見える化した「食味値」(アミロース、タンパク質、水分、脂肪酸度の4つを測定し、100点満点でお米のおいしさをスコア化したもの)については、例年飯山では普通に作っても80点以上、そして90点以上のお米も多数出ています。
飯山のお米は、世界で上位1%のおいしいお米!
米・食味鑑定コンクール:国際大会には、例年5,000以上ものお米が出品されています。分析計による食味、味度といった一次、二次審査でふるいにかけられた上位約40のお米が最終審査に進みます。
最終審査は「官能審査」というもので、色やつや、香りや甘み、粘りやのどごしなどを、複数の米・食味鑑定士が食べて審査し、最終審査に進んだすべてのお米に対して、得票数に応じて金賞、または特別優秀賞が授与されます。
つまり、最終審査に残った時点で、世界で上位1%のおいしいお米に選ばれたと言えますね。
飯山のお米は、2000年の第2回から通算59件の入賞、また、2005年の第7回から2019年の第21回まで、15年連続で入賞しているんですよ。
おいしいお米に出会うには…
品種による違いはもとより、同じ産地、同じ生産者でも毎年お米の味は違います。
自分好みのお米にどう出会うか? コンクールの入賞者をチェックして情報を集めたり、街のお米屋さんに相談してみるのもいいかもしれませんね。
ちなみに飯山のコシヒカリは、しっかり感があって、噛んで甘みやパンチ力がある。味の濃いおかずに合います。米が強い!
ふるさと納税で入手できる飯山産のコシヒカリは、コンクール受賞歴もある農家さんのこだわりのお米がそろっていますよ。
地域の一般的な農薬使用量を50%以上減らして栽培した「特別栽培米」もあります。
長野県は冷涼な気候で、そもそも農薬の使用量が少ない。そこからさらに 50%減というと、他の温暖な地域と比較して、飯山の特別栽培米は、最終的な農薬や化成肥料等の使用量が少ないことが多く、より「安心・安全」なお米といえると思います。
おいしいごはんを食べるには、炊き方も重要。ごはんを炊く時に、お米や水の量をきちんと計って炊くことで、安定しておいしいごはんが食べられます。
自分でお米を作ってみて思ったのですが…自分で作った米がいちばんおいしい(笑)
現地に来て、田植えや稲刈りなどの体験を通し、どこで誰がこのお米を作っているのかなどを知ることで、ごはんのおいしさが違ってくると思います。
ぜひ飯山で体験してみてください!
いいやまのお米をおうちで食べる(ふるさと納税)
生産量が少なく、全国に出回らないことから名付けられた「幻の米」をはじめ、生産者の名がつけられたブランド米など、おいしい飯山産のお米をふるさと納税の返礼品でらくらく手に入れることができます。
長野県飯山市のふるさと納税情報はこちらから。
お申し込みは、以下のふるさと納税サイトからどうぞ。
いいやまのお米を飯山で味わう
飯山市内の飲食店で味わう
飯山市内の飲食店では、地元飯山産のお米を使っているお店がほとんど、と言えるでしょう。自家製のお米を提供しているお店もあります(それぞれのお店にご確認のうえ、お楽しみください)
道の駅 花の駅 千曲川にある「Cafe 里わ」では、飯山産素材にこだわったオリジナルメニューを提供しています。ランチの定食でごはんを選ぶと、特別栽培米コシヒカリ「里わ米」または「金崎さんちのお米」がいただけます。
毎年2月を中心に「かまくらの里」で開催される「レストランかまくら村」では、大きなかまくらの中で地元食材たっぷりのお鍋と「かまくらの里こしひかり」の絶品おにぎりが味わえます!
現地ツアーで、いいやまのお米を釜炊きで味わう!
信州いいやま観光局が企画する、飯山産のお米を釜炊きして食べる現地ツアーが人気です。お米を育てた現地の水で炊いたごはんを、季節の野菜料理とともに楽しむことができます。実りの秋には、獲れたての新米が味わえます!
【日帰り体験】季節の野菜と大盛りご飯をいただきます! 釜炊きの絶品ごはんをおなかいっぱい!(飯山旅々。)
いいやまのお米を体験する
田植え・稲刈り体験
自分で田植えをしたり、稲刈りをしたお米は格別においしく感じるはず!
飯山でお米作りを体験できるイベントや制度をご紹介します。
(新型コロナウイルスの影響により、イベントが中止になることがあります)
福島の棚田
瑞穂地区福島にある棚田で、地元の小学生と一緒に田植えや稲刈り体験をすることができます。
蛍が減ってしまった田んぼに乱舞する蛍を呼び戻すべく、農薬を使用しない米作りを行っている田んぼのオーナー制度です。
田んぼの風景を眺める
長野県飯山市では、田植えは5月の上旬から中旬に行います。出穂を確認できるのは8月のお盆のころ。稲刈りは9月中旬から10月上旬に行います。
それぞれの季節の田んぼの風景を眺めに、飯山を訪れてみてはいかがでしょうか。
参考サイト
長野県のお米情報(長野県農政部)