今年で25周年! 福島棚田で田植え体験会を開催

瑞穂地区にある「福島棚田」の田植え体験会が、2024年5月16日(木)に開催されました。飯山市立東小学校の体験授業に合わせて実施され、一般の方も参加できるイベントです。今年で25年目を迎えました。

東小学校は来年春の閉校が決まっており、新たに周辺地区の4校を統合した城北小学校が誕生します。東小学校としては、今回が最後の田植えになりました。

1999年の棚田の復活からはじまったイベント

福島棚田は江戸時代に拓かれ、一時期は荒廃していましたが、1999年(平成11年)に、地域住民の有志によって復活し、「日本の棚田百選」に選定されました。

田植えと稲刈り体験会は、この福島棚田の復活と同時期に始まりました。

2020年(令和2年)には、国の関係府省庁が連携し、棚田を核とした地域振興の支援を行う「指定棚田地域」となり、福島棚田振興協議会が発足しました。

地元児童の稲作体験授業は、小学校の統合後も継続することが検討されています。福島棚田振興協議会長の小泉光雄さんは、開会の挨拶で「来年もまた来ていただければ」と児童たちに伝えました。

東小学校の児童41名が田植えを体験

田植えに参加した児童は41名。まずは5・6年生から素足で田んぼに入りました。

さすが上級生。姿勢と手つきが手慣れた感じでした!

長年このイベントの主役を担ってきたのは、東小学校の児童たち。水の張られた棚田で、児童が田植えをする風景は、5月の飯山を代表する風景と言ってもいいでしょう。

児童たちは、取材に訪れていたケーブルテレビiネット飯山や、SBC信越放送などのテレビカメラをはじめ、たくさんのカメラを向けられながら、堂々と作業していました。

特製ロープに沿って苗を植えます

5・6年生が田んぼを1枚植え終わると、3・4年生が次の田んぼに入りました。

ガイド用のロープを張ってもらい、1列ずつ苗を植えていきます。苗は3〜4本で一株として、15センチ間隔で植えました。

これが田植え体験会用に作られた、15センチ間隔でテープが貼られたロープ。

たくさんの大人に見守られながら、真剣な表情で苗を手に取り、田植えをする児童の姿が印象的でした。

地域おこし協力隊も参加「田植え初体験」

一方こちらは、一般の参加者用の田んぼ。あらかじめ引かれた線に沿って苗を植えていきます。

飯山市の地域おこし協力隊4名も参加しました。西沢拓朗さん(写真左)は、田植えをするのは40年ぶりくらい。広瀬大司さんは初体験とのこと。

今年の苗は「ちょっと細くて、伸びすぎてしまった」そうですが、おいしいお米がたくさん実ることを期待しましょう!

保育園児が田植えの応援に!

最後に1・2年生が、上級生とペアになって田植えを開始。

しばらくすると、保育園の園児たちが見学にやってきました。

園児たちから田植えをする児童へ「がんばって、がんばって」と、声援が飛びます!
いっそうにぎやかになった福島棚田でした。

転んで全身泥だらけ〜というハプニングもなく、田植えが無事に終了。
皆さん、おつかれさまでした!

棚田米おむすびと、おいしい料理で交流会

児童たちを見送った後、福島棚田の休憩小舎「さんべ」にて、参加者交流会が開催されました。

テーブルの上には福島棚田米のおむすびをはじめ、わらびのおひたしや、たけのこ汁といった旬の山菜料理が並んでいました。

さらに、鶏の手羽先の燻製、唐揚げ、酢豚などが続々と運ばれてきました。

「料理長」の異名をとる、福島棚田保存会長の宮川正一さんが、数日前から仕込んだというおいしい手作り料理をいただきながら、福島棚田の地元関係者と田植え体験参加者が交流を深めました。

今回の交流会は一人2,000円の会費制で実施されました。「はざ掛け」で天日干しされた福島棚田米2キロのおみやげ付きです!

パッケージには、福島に点在する石積みの棚田や阿弥陀堂、水車小屋のイラストがデザインされていました。一般にあまり販売されていない福島棚田米ですが、そのおいしさを多くの人に知ってもらいたい! という、関係者の思いが感じられました。


記事の最後に、昨年2023年の稲刈り体験会以降から、今回の田植えまでの間の、福島棚田関連のトピックスをご紹介します。

飯山市米食味コンクールで準グランプリを獲得!

令和5年度「飯山市米食味コンクール 飯山のおいしいお米グランプリ」で、福島棚田で東小学校の児童が栽培したコシヒカリが高得点を記録し、準グランプリを獲得しました。

2024年1月に開催された表彰式では、児童から「来年も入賞したい!」という頼もしいコメントもありました。

関連記事

東小学校に「つなぐ棚田遺産」感謝状が授与されました

同じく2024年1月には、農林水産省から、令和5年度「つなぐ棚田遺産」感謝状が東小学校に贈られました。

地域の将来を担う地元の児童が、田植え・稲刈り体験会に参加したり、学校給食が棚田米でまかなわれていることなどが、福島棚田地域の振興に貢献する取り組みとして評価されました。

関連リンク

令和5年度「つなぐ棚田遺産」感謝状 農林水産省

未来へつなぐ部門 飯山市立東小学校 (取組23年)~美しい故郷を自分の心として育つ児童の姿をめざして~[PDF]

福島棚田の体験会イベント情報入手方法

福島棚田の田植えと稲刈り体験会イベントの開催については、信州いいやま観光局のサイトやSNSにてご確認いただけます。

最新情報 - 信州いいやま観光局|長野県飯山市
信州いいやま観光局は、長野県飯山市の観光案内や、飯山を訪れて下さるお客様が「心癒される日本のふるさと」を体感できる旅を創出します。

取材・撮影:佐々木里恵(里の恵み編集室

タイトルとURLをコピーしました