飯山市から生産者3名が受賞! 令和5年 米・食味分析鑑定コンクール:国際大会inつなんレポート

飯山の米

お米のおいしさを競う国内最大級の「米・食味分析鑑定コンクール」。長野県飯山市の生産者のお米は、毎年のように最終審査にノミネートされています。

2023年に第25回を迎えたコンクールでは、飯山市内の生産者3名がノミネートされ、12月1日・2日に最終審査が行われる国際大会が、新潟県津南町で開催されました。

津南町へは飯山から車で1時間ほど。6年前に東京から飯山に移住してきた元地域おこし協力隊の筆者は、ノミネートされた生産者、飯山市農林課職員と一緒に、最終審査と表彰式が行われる国際大会イベントに行ってきました。会場では、審査用のごはんを食べられるという、うれしいハプニングも! その様子をレポートします。

飯山市の生産者3名がノミネート

米どころとして有名な新潟県ですが、意外にも新潟県での国際大会開催は初めてなのだそう。大会会場のニュー・グリーンピア津南には、全国各地からコンクールに出品されたお米がずらりと展示されていました。出品検体数は5092!

米・食味分析鑑定コンクールの主要部門である「国際総合部門」では、この5092の検体の中から一次審査、二次審査を通過した上位42名がノミネートされました。

大会では最終審査として、炊飯したお米を審査員が食べて評価する官能審査が行われ、ノミネート者の中から上位18名が金賞を受賞しました。惜しくも金賞を逃したノミネート者は、特別優秀賞となります。

飯山市では国際総合部門にノミネートされた、農事組合法人ファームステーション木島と、JAながの 一番開花の会 小池幸喜さんが特別優秀賞を受賞しました。

表彰式での小池さん。壇上からピースサインをいただきました!
国際総合部門、特別優秀賞のみなさん

また、国際総合部門のノミネート者を除いた出品者を都道府県別に分け、30検体以上出品のある都道府県の中から、それぞれ上位1名がノミネートされる「都道府県代表 お米選手権」において、長野県からは飯山市の農事組合法人やなぎはらが選ばれ、特別優秀賞を受賞しました。

写真左は農事組合法人やなぎはらの岸田組合長。「年に1回、育てた米を出品準備するのが楽しみでもある。やはり、国際総合部門にノミネートされたいね」と来年に向けて意欲をみせていました。写真中央は農事組合法人ファームステーション木島の市川さん

長野県下高井農林高等学校コシヒカリが特別優秀賞

全国農業高校 お米甲子園2023「お米甲子園」部門においては、飯山市に隣接する木島平村の長野県下高井農林高等学校 植物科学コース3年のコシヒカリが全国15校中にノミネートされ、特別優秀賞を受賞しました。

米・食味分析鑑定コンクール:国際大会inつなん 第25回最終審査結果はこちら

米・食味分析鑑定コンクール:国際大会 inつなん ノミネート者発表
第25回 米・食味分析鑑定コンクール:国際大会 inつなん ノミネート者発表

おいしいお米は、どう分析鑑定する?

コンクールにおいて、おいしいお米の分析鑑定は、どのように行われているのでしょうか? ちょっと詳しく調べてみました。

一次審查「食味測定」

一次審査は玄米の状態で食味スコアと整粒値を、それぞれ専用の機械で計測。

食味スコアとは、水分、タンパク質、アミロース、脂肪酸の各項目からなるもの。こちらは85点以上。整粒値(良質な米の割合)は75%以上と、両方の基準を満たしたお米が一次審査を通過します。

会場には、実際に審査に使われている静岡製機株式会社製の食味分析計と穀粒判別器が展示されていました

二次審査「味度測定」

一次審査を通過した玄米を精米し、味度(みど)値を測定。炊飯されたお米の保水膜を専用の機械で測定します。

保水膜とは、炊飯中に米の表面からの溶出物が煮詰められて濃縮され、ごはんの表面を覆う「おねば」と言われているもの。ごはんを食べたとき口当たり、かみごたえなどのおいしさは、ごはん粒の表面を覆う保水膜によって決まるそうです。

この保水膜の量を測定して、100点満点で点数に換算します。

「食味スコア」+「味度値」の合計値を、
それぞれの部門の審査基準に照らし合わせ、

ノミネート者が決定

最終審査「官能審査」

最終審査は、米・食味鑑定士をはじめとする約30名の審査員が、各部門にノミネートされたお米を実際に食べて評価する官能審査が行われます。

官能審査の様子

総合部門では、審査員一人につき5つのお米に投票が可能。この投票数の合計で、金賞、特別優秀賞が決定されます。

お米はタイガー魔法瓶株式会社の同機種の炊飯器で炊かれます。

審査員の皆さんは真剣な表情で、それぞれのお米を味わっていました。

官能審査のごはんを試食しました

一般参加者向けに、官能審査用に炊かれたごはんの提供がありました。

番号が振られたケースに入ったごはんを3つもらいます。写真だと分かりにくいのですが、つやつや輝いて、見るからにおいしそう!

食べ比べてみると、香りやねばり、口溶けなどがそれぞれ違っていることが分かります。

最終審査までたどりついた極上のお米なので、当然ですがどれもおいしい。ちょっとした審査員気分を味わいました。

地元産を味わう、ごはんのお供選手権イベント

会場内のカフェテリアでは、お昼ごはん時のイベントとして「ごはんのお供選手権」が開催されていました。お椀に盛られた津南町産のごはんを200円で手に入れ、ずらりと並んだ地元各メーカーの漬物、佃煮、味噌漬けなどをお好みでごはんにのっけていただきます。

余地がなくなるまで、がんばって13種類ほどのっけてみました!

旅先でおみやげものとしてよく売られているごはんのお供。味見してみないと、どれが自分好みなのか分からないので、こういう体験はいいですね。食べてみて気に入ったものは、ボートにシールを貼って投票します。

ちなみにこのイベント、津南町と地域活性化等に関する連携協定を締結している、無印良品(株式会社良品計画)が運営されていました。

今回の米・食味分析鑑定コンクール:国際大会inつなん。ステージでは音楽やトークセッションも行われ、屋外には農業関連の企業ブース、地元の物販やキッチンカーも並んで、一般の参加も楽しめるイベントでした。

飯山市のおいしいお米をアピールする取り組み

長野県飯山市では市内の生産者と連携し、米・食味分析鑑定コンクールに団体出品を希望する生産者のお米を農林課で取りまとめて出品しています。

2014年(平成26年)からは、コンクールの予選会として、飯山市独自の米・食味コンクールも実施。食味と味度を測定して、上位者を表彰しています。

各種米・食味コンクールにおける、長野県飯山市の受賞者一覧はこちら

(取材・写真:佐々木里恵/里の恵み編集室

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